スーパーやコンビニの棚には、たくさんの商品が並んでいます。その中から、なぜか目に止まるものがある。色だったり、形だったり、パッケージの雰囲気だったり。そして、手に取る。商品との最初の出会いは、たいてい「見た目」から始まります。でも、そこで終わりではありません。むしろ、そこからが商品の本当のコミュニケーションなのかもしれません。
目次
- 最初は、やっぱり見た目。
- 手に取ったら、見るところが変わる。
- 「見た目」と「情報」は、別の仕事をしている。
- 慎重に選ぶ人ほど、パッケージをよく見ている。
- 「わかりやすい」は、デザインだ。
- デザインは「売る」だけではない。
- そして、最後に選ぶのは人。
- 次に商品を手に取ったとき。
最初は、やっぱり見た目。
棚の前に立ったとき、私たちは一つひとつの商品を詳しく読んでいるわけではありません。まず目に入る。
- 色
- 形
- 写真
- 文字
- パッケージ全体の雰囲気
「なんとなく気になる」。その感覚が、商品を手に取るきっかけになります。デザインには、人の目を止める力があります。でも、それはあくまで最初の一歩です。
手に取ったら、見るところが変わる。
商品を手に取ると、今度はパッケージの裏側を見る。ここから、デザインの役割が少し変わります。
- 賞味期限
- 原材料
- 内容量
- 保存方法
- アレルギー表示
- 栄養成分
そして、自分が気にしているものが入っていないか。必要以上の添加物や、避けたい成分がないか。「おいしそう」だけではなく、
「これは自分にとって大丈夫だろうか?」
という確認が始まります。
「見た目」と「情報」は、別の仕事をしている。
ここが、商品デザインの面白いところです。表側では、「ちょっと見てみよう」と思ってもらう。そして裏側では、「これなら選んでもいい」と思えるだけの情報を、きちんと伝える。つまり、商品のデザインは、目を引くだけでは完成しません。興味を持ってもらい、情報を確認してもらい、最後に納得して選んでもらう。その一連の体験まで含めて、デザインなのだと思います。
慎重に選ぶ人ほど、パッケージをよく見ている。
商品を選ぶとき、すべての人が同じ情報を見るわけではありません。
- 価格を重視する人もいる
- 産地を見る人もいる
- 原材料を確認する人もいる
- 賞味期限を気にする人もいる
- アレルギーや特定の成分を確認する人もいる
健康や食生活への関心が高い人ほど、表側の印象だけでは判断しないかもしれません。だからこそ、必要な情報が、必要な場所に、きちんとあること。これは、とても大切なデザインです。
「わかりやすい」は、デザインだ。
たくさんの情報があることと、情報が伝わることは、同じではありません。文字が小さすぎる。情報が詰まりすぎている。どこを見ればいいかわからない。そうなると、必要な情報があっても、確認することが難しくなります。逆に、賞味期限はここ。原材料はここ。重要な注意事項はここ。というように、自然に目が向く。それは、とても地味ですが、大切なデザインです。
デザインは「売る」だけではない。
パッケージデザインというと、「目立たせる」「おいしそうに見せる」「手に取ってもらう」というイメージがあります。もちろん、それも大切です。でも、消費者が商品を選ぶまでには、見る → 手に取る → 確認する → 比べる → 納得する、という時間があります。そのすべてを支えるのが、商品に関わるデザインなのではないでしょうか。
良いデザインは、「買ってください」と一方的に語りかけるのではなく、「あなたが選ぶために必要なことは、ここにあります」と、静かに伝えてくれる。
そして、最後に選ぶのは人。
どれだけ美しいパッケージでも、価格が合わなければ買わない。原材料が気になれば、選ばない。賞味期限が短ければ、やめることもある。味や使いやすさ、産地、メーカーへの信頼。人によって、判断する基準は違います。だからデザインだけで、人の選択を決めることはできません。むしろデザインの役割は、選ぶための入口をつくり、判断するための情報をきちんと届けること。そこにあるのかもしれません。
次に商品を手に取ったとき。
いつもの買い物で、まず見た目に惹かれる。そして、手に取る。表を見る。裏返す。原材料を見る。賞味期限を見る。気になるところを確認する。そして、「これなら大丈夫」と思って、カゴに入れる。そんな何気ない行動の一つひとつにも、デザインが関わっています。
商品のデザインを見るとき、表側だけを見るのではなく、「その商品を選ぶまでの人の行動」まで見てみる。そうすると、パッケージは少し違って見えてきます。